野田岩本店(赤羽橋)
訪問日: 2021年 7月13日(水) 訪問時間: 12:00(ランチ) |
つい先日、関東うなぎの両横綱の片方「東の尾花」 に伺ったので、「西の野田岩」にも勢いで足を運んでみました。
赤羽橋駅から徒歩4分ほど、東京タワーが怪獣のように見える根元のエリア、東京のど真ん中の立地に、品よくたたずむ歴史の深い名店。今回は本店から50mくらいの距離にある別館でいただくことになりました。
本店同様、飛騨高山の古民家の柱や梁などを漆で仕上げたものを取り入れ、アクセントにヨーロッパ製の照明を取り入れているあたり、演出にも相当な力を入れています。
ノンアルビールで、焼き上がるまでの時間をのんびり過ごします。従業員の方がお着物でサーブしてくださるので、とっても華やいだ気分になります!アルコール0%なのに、なんだかウキウキが止まりませんよ!
コースターにふと視線を落とすと、詩のようなものが書かれています。これは、歌舞伎役者の尾上菊五郎さんが語った言葉だそうで、まだ存在しないはずの六代目を「己(=菊五郎さん)」と表現しているあたりに、野田岩と縁の深さを感じさせますね。
そうこうしているうちに、食事が運ばれてきました!
黄金の鯉が描かれた、見事なお重!開ける前からオーラが漂います!聞けば、すべて輪島塗で、絵柄は五代目が自ら指定して作ってもらったものとのこと。
うなぎだけでなく、それを提供する器や室内空間全てにこだわる美意識とパワーに頭が下がる思いです!
長々、店内のしつらえやら食器やらを紹介してきましたが、はらぺこなので、いよいよ、食します!
パカッ!!
鰻の身はふんわりホロホロ、香ばしい焼きも程よく、タレはやや辛めながらも甘みもしっかり、お醤油の輪郭がくっきりと感じられる味わいで、たっぷりとかかっています(追いダレも可能です)。
また、肝吸、お新香のほか、口直しの大根おろしがついてきて、しっかり目のタレの味をいい具合にリセットしてくれました。
そのため、ひと口目からしっかりと味を感じられるのに、最後まで飽きることなく味わうことができました!
ご飯は炊き加減、量ともに普通、うなぎの焼きは、ややしっかり目という印象ですが、さすがは関東風うなぎの横綱、蒸しはしっかり、フワッフワ!お箸を入れると、ホロリと崩れる繊細な仕上がりです。これも飲める気がします。
山椒は深緑色で、香りもしっかりあるタイプですが、そこまで尖ったピリリ感はありませんでした。
山椒といえば「うなぎの山椒は、表ではなく、うなぎひっくり返して裏(皮?)にかけるのが正式!(※おそらく、うなぎではなご飯にかける、という意味かと?)」と主張する食通の知人の言葉に衝撃を受けたことがあります。
「山椒がご飯とうなぎの間に挟まれることで、特有の強い刺激を避けつつ、香りは楽しめるため、最大限美味しくいただける」というロジックのようです。なるほど!
一瞬、試してみようかと思いましたが、もし野田岩さんのシルクのように繊細な肉質のうなぎをひっくり返そうものなら、美しい盛り付けが台無しになること請け合いだったのでやめました。
全体がぎゅっとしてて、お箸で持ち上げひっくり返しやすいタイプのうなぎの時に試してみようと思います。
ちなみに、部員Bに無理やり同行させられた部外の人は「蒲焼 桐(6,500円)」を食べていました。別途、ご飯と、お新香、肝吸、大根おろしがついてきます。
大変満足なお食事でしたが、五代目のこだわりが随所に感じられるおもてなしの丁寧さにも圧倒されるランチタイムでした(おしぼりは2回、お茶は3回出してくれました)。
価格設定もこの味とサービスとを考えると、むしろ安い気さえしました!やはり200年の歴史は半端なかったです!ごちそうさまでした!
野田岩ホームページ
今後も美味しい情報を発信して参りますので、よろしければ読者になってください!